◆ 黒斑病 ◆
 本病は「二十世紀」など本病に感受性の品種に対する防除として実施する。なお、これらの品種は有袋栽培を基本として防除を組み立てるので、無袋栽培で管理しようとする場合は本防除体系は参考にならない。また、本病に罹病性でない品種を栽培するよりも本病に対する防除圧を高くして対応する必要がある。
 本病防除のためには、まず越冬病菌に対して開花期までにオキシラン水和剤500倍により初期の発病を抑え、落花後の病原菌の密度が高くなる5月上旬から下旬にかけては、キノンドー水和剤40 600倍等の有機銅剤を7日間隔で散布し、小袋かけ直前にあたる5月15日頃には、黒斑病に対して防除効果の高いロブラ−ル水和剤 1,500倍またはポリオキシンAL水和剤 1,000倍を有機銅剤に加用して散布する。6月以降の梅雨入り前までの予防散布は重要である。大袋かけの防除はキノンドー水和剤40などの有機銅剤、オキシラン水和剤500倍、アントラコ−ル水和剤 500倍、アリエッティC水和剤 800倍、のいずれかを10〜15日おきに散布するが、黒斑病の急増期にあたる6月20日頃にはロブラール水和剤を加用する。また、この時期のナリアWDG2,000倍やベルクート水和剤1,000倍も本病に対して効果が期待できる。なお、ロブラ−ル水和剤およびポリオキシンAL水和剤は黒斑病にすぐれた効果を示すが薬剤耐性菌がでやすいので、単剤での使用をさけ、また年間の使用回数も2回以内にとどめる。