◆ リンゴ黒点病 ◆
 前年の被害落葉からの子のう胞子が結実後の果実に感染して発病するので、防除適期は落花直後〜落花30日後頃までである。この時期の防除は黒星病、赤星病およびうどんこ病を対象に実施されるが、これらに対する防除薬剤はDMI剤、SDHI剤やQoI剤の系統が主な防除薬剤である。とくに本県ではDMI剤の薬剤耐性菌の出現は今のところ確認されていないので、DMI剤にチオノックフロアブルやトレノックスフロアブル500倍、ジマンダイセン水和剤600倍またはデランフロアブル2,000倍を加用して防除が実施されている。さらに、これらの有機硫黄系殺菌剤に加え6月以降に使用されるアントラコール顆粒水和剤500倍、キャプタンを含むオキシラン水和剤500倍やオーソサイド水和剤600倍も本病に対して効果が高く、これらの殺菌剤を用いた防除体系により通常の薬剤散布を実施することで、本病に対する特別な防除対策は必要がない。