◆ モモ果実赤点病 ◆
 本病は2000年代初頭に発生が確認された病害で比較的新しい病害である。福島県においては、はじめ伊達市や福島市の中山間地を中心に発生が確認され、その後、徐々に福島盆地周辺に発生地域が拡大した。近年は全国のモモ産地のほとんどで発生が確認されている。本県では2007年頃から防除試験が開始され、現在、本病に対して数剤の登録薬剤が上市されている。薬剤による防除は落花期〜6月上旬までの防除剤としてはジマンダイセン水和剤またはペンコゼブ水和剤600倍などの有機硫黄系殺菌剤が有効であり、6月中旬以降はダコレート水和剤1,000倍またはナリアWDG 2,000倍の効果が高い。7月中旬以降は中生種の「あかつき」の収穫期直前となり灰星病を対象とした防除に切り替える必要があるので、この時期からはベルクート水和剤1,000倍やフルーツセイバー1,500倍も選択肢となるが、ベルクート水和剤はこれらの薬剤の中では効果が劣るので、例年発病の多い園ではダコレート水和剤を中心に防除体系を組み立てる必要がある。