◆ モモ灰色カビ病 ◆
 病原菌はモモ以外にも様々な植物に寄生する多犯性病原菌であり、低温多雨多湿条件が続くとこれらの植物上に分生胞子を形成して飛散し、モモの開花時期や果実の成熟期に感染して被害を及ぼす。開花時期〜幼果時期には花器やがく片で発病すると花腐れとなり、幼果に接触伝搬する。また成熟期の果実では開花期に残った花やがく片が枝と果実には挟まれて残り、ここで発病した病原菌から果実に感染する。
 本病に対して登録のある薬剤はないので、開花期〜幼果期にかけて灰星病菌による花腐れの防除をかねてロブラール水和剤1,500倍、ダイマジン1,500倍、パスワード顆粒水和剤1,500倍またはDMI剤のインダーフロアブル5,000倍から、いずれかを選択して散布する。また、成熟期には灰星病、ホモプシス腐敗病などの重要病害に対する防除時期でもあり、これらの病害に高い効果を示すナリアWDG 2,000倍を使用すると有効である。