◆ 灰色かび病 ◆
 開花直前または落花直後頃が本病の重要防除時期であり,この時期に低温多湿条件が続くと本病の発生は多くなる。防除薬剤はロブラール水和剤1,500倍またはスイッチ顆粒水和剤2,000倍またはゲッター水和剤1,000倍またはフルピカフロアブル3,000倍を使用する。なお,この時期は黒とう病,晩腐病やベと病などの重要防除時期でもあるので,薬剤耐性菌出現リスクを考慮してジマンダイセン水和剤1,000倍またはオーソサイド水和剤80 800倍またはデランフロアブル1,000倍との混用により散布する。また,傘かけや袋かけを実施する場合は結実確保の後,摘粒などの作業を早めに実施し,なるべく病原菌を包み込む前に薬剤散布するようにする。なお,袋かけを実施しない場合には,収穫時期に十分な摘粒がされていないと果実の肥大とともに裂果を生じることがあり,その部位に病原菌が感染して本病の発生が拡大することがある。その場合は上記の薬剤に加え,ストロビードライフロアブル2,000倍,パスワード顆粒水和剤1,000倍,カナメフロアブル4,000倍などから選択して防除すると有効である。施設栽培では換気に心がけ加湿にならないように注意することも大切である。