◆ リンゴ褐斑病 ◆
 本病の越冬伝染源は主として前年の被害落葉上に形成された子のう胞子や分生胞子が飛散して感染する。初発が認められるのは5月中旬頃からであり、この時期は主として子のう胞子による感染と考えられ、その後、二次感染を繰り返して感染が拡大する。例年発生が多い園における薬剤による防除は落花直後の防除でDMI剤加用デランフロアブル2,000倍、落花30日後にはアントラコール顆粒水和剤500倍を使用し、梅雨入り前の6月上旬頃からは重点防除時期になるので斑点落葉病、輪紋病、炭疽病などとの同時防除をかねてオキシラン水和剤500倍、ナリアWDG 2,000倍を中心に薬剤散布を実施し、分生胞子の飛散ピークを迎える7月中旬〜下旬頃にはトップジンM水和剤1,500倍またはベンレート水和剤2,000倍を加用すると有効である。しかし、これらの剤は薬剤耐性菌の存在がすでに知られており、これらに代えてユニックス顆粒水和剤47 2,000倍を使用すると効果が高い。本病はこの時期の防除に失敗すると8月下旬以降、黄変・早期落葉にし病勢進展を食い止めることがかなり難しいので予防散布を徹底する必要がある。